貯蓄の日の由来
10月17日は「貯蓄の日」です。1952年(昭和27年)、貯蓄増強中央委員会(のちの金融広報中央委員会)が、お金を無駄遣いせずに大切にしようと呼びかける日として定めました。国立国会図書館のレファレンス協同データベースの記録によると、貯蓄を広く一般に呼びかけるために設けられた記念日で、1952年から始まり、子ども銀行の表彰などが行われていました。
日付の由来は、戦前の神嘗祭(かんなめさい)です。伊勢神宮では年間1500回に及ぶ恒例のお祭りが行われますが、その中で最も重要とされるのが神嘗祭で、その年に収穫された新穀を最初に天照大御神にささげ、恵みに感謝します。一年の実りに感謝する日に、働いて得たお金を大切にする心を重ねた記念日といえます。
呼びかけの担い手は J-FLEC へ
貯蓄の日を定めた委員会は、その後「金融広報中央委員会」として、お金に関する知識の普及を長く担ってきました。日本銀行によると、日銀は約70年にわたって同委員会の事務局を務めてきましたが、2024年4月に認可法人「金融経済教育推進機構(J-FLEC)」が設立されたことに伴い、その機能を J-FLEC に移しました。
背景には、金融経済教育が十分に行き渡っていないという課題がありました。金融広報中央委員会が2022年に行った金融リテラシー調査では、金融経済教育を受けたと答えた人の割合は7.1%にとどまっています。J-FLEC が担うのは、お金に関する知識や判断力を高めるための金融経済教育です。「貯蓄増強」を掲げて始まった取り組みの担い手が、いまは貯め方に限らない幅広いお金の教育を受け持っています。
家計の貯えは「平均」より「中央値」で見る
貯蓄の日に自分の家計を振り返るなら、ほかの家庭と比べる物差しにも注意が必要です。J-FLEC が2025年6〜7月に全国5,000世帯を対象に行った「家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」では、金融資産保有額の中央値は720万円でした。
同調査は、平均値が少数の高額資産保有世帯によって大きく引き上げられることがあり、平均値だけを見ると多くの世帯が実感とかけ離れた印象を持つと説明しています。そのため中央値、つまり保有額の順に並べたときに真ん中に来る世帯の金額を併せて示しています。同じ調査で、過去1年間の手取り収入も平均値609万円に対して中央値は500万円と、差が出ています。
もうひとつ押さえておきたいのが「金融資産」の範囲です。この調査では、運用のためや将来に備えて蓄えている部分を金融資産とし、預貯金のうち日常的な出し入れや引き落としに備えている部分は含めていません。また、金融商品を「いずれも保有していない」と答えた世帯は5.4%で、前年の3.0%から増えました。10月17日は、口座のお金を「日々の支払い用」と「将来への備え」に分けて、自分の家計の実態を数字で確かめるのにちょうどよい日です。