こんにゃくの日の由来
5月29日は「こんにゃくの日」です。一般財団法人日本こんにゃく協会と全国こんにゃく協同組合連合会が、1989年(平成元年)に制定しました。日付は5と29を「こんにゃく」と読む語呂合わせに由来します。
ただし、この日付は語呂合わせだけで選ばれたわけではありません。こんにゃくの作付けが5月に行われることも理由のひとつです。さらに、本格的な夏を迎える前に、こんにゃくの効用や機能性をあらためて確かめ、健康に過ごしてほしいという願いも込められています。
3年がかりで育つ「運玉」
こんにゃくは、サトイモ科の植物の球茎である「こんにゃく芋」から作られる加工食品です。日本こんにゃく協会によると、こんにゃく芋の原産はインドシナ半島といわれています。
こんにゃく芋はじゃがいもと同じく種芋から増やしますが、じゃがいもと違って成長に2〜3年かかります。春に植えた種芋から、秋には「生子(きご)」と呼ばれる小さな芋ができます。この生子を掘り上げて翌春に植え直したものを1年生、それを秋に収穫したものを2年生、さらに翌春に植えて秋に収穫したものを3年生と呼びます。生子から1年生で5〜10倍、2年生から3年生でさらに5〜8倍に育ち、大きいものは直径30cmほどになります。こんにゃく作りに向くのはこの3年生です。
しかも、こんにゃく芋は低温に弱く腐りやすいため、冬の間は最低気温が13度を下回らない場所で保管しなければなりません。秋に掘り上げ、冬を越させ、春にまた植える。5月の作付けは、この繰り返しの節目にあたります。葉に傷がつくだけで病気になるほどデリケートで、強い日光や風、干ばつ、水はけの悪い土地も苦手です。安定した栽培法が確立されたのは昭和30年ごろで、それまでは経験と運まかせだったことから「運玉(うんだま)」とも呼ばれました。現在は群馬をはじめとする北関東で多く作られています。
2025年産は約70年ぶりの不作に
育てるのが難しい作物であることは、近年の数字にも表れています。日本こんにゃく協会は2026年3月、農林水産省の発表として、2025年(令和7年)産のこんにゃく芋の収穫量が3万8500トンと前年比25%減少し、1954年(昭和29年)以来、約70年ぶりの不作になったと伝えました。群馬県の5〜9月の平均気温が25.6℃と約130年間で最も高く、降水量も380.5mmと直近30年で最少クラスだったことによる生育不良が原因で、製造現場では原料価格の高騰と原料不足が深刻になっているといいます。
こんにゃくの日は、身近な食材の裏側を知るきっかけにもなります。同協会は家庭での手作りこんにゃくの方法も紹介しており、それによると生のこんにゃく芋500gで、市販の板こんにゃく約6枚分ができます。店頭の一枚が、手間をかけて育てた芋からどれだけ作られているのかを実感できる数字です。