バレンタインデーの由来
バレンタインデー(2月14日)は、ローマ帝国時代の殉教者、聖バレンチノ(英語読みでバレンタイン)を記念する日に由来します。カトリック中央協議会の解説によると、バレンチノはイタリア・テルニの司教で、兵士の結婚が禁じられていた時代にひそかに若い恋人たちを結びつけ、皇帝の怒りを買って処刑されたと伝えられています。
中世のヨーロッパでバレンチノは愛の守護聖人として崇敬を集め、やがて宗教を離れて、恋人同士が贈り物を交わす風習が生まれたとされます。ただし同協議会は、贈り物の習慣そのものは教会と関係がないと説明しています。
日本にチョコレートの習慣が根づくまで
「バレンタインデーにチョコレート」という結びつきは、日本の菓子会社の取り組みから広まりました。神戸のモロゾフは、創業者が米国人の友人から欧米の習慣を聞き、1932 年にチョコレートを贈るスタイルを紹介したとしています。2019 年には、同社が 1935 年 2 月に英字新聞「ジャパンアドバタイザー」へ出した広告が見つかったと発表しました。
戦後の 1958 年には、メリーチョコレートが都内の百貨店でバレンタインセールを開きました。当時はこの日を知る人がほとんどおらず、3 日間で売れたのは板チョコ 3 枚とカード 1 枚、計 170 円だったと同社は伝えています。日本チョコレート・ココア協会は、各社の売り出しを経て、昭和 40 年代末から 50 年代にかけていまのような盛んな行事になったとみています。
カードの国とチョコレートの国
在日米国大使館の解説によると、アメリカのバレンタインデーは友人や愛する人に気持ちを伝える日で、カードのやり取りが定番です。赤いバラやチョコレートを贈ることもあり、小学校では同級生一人ひとりにカードを用意する習慣もあるといいます。女性から男性へチョコレートを贈り、3月14日のホワイトデーにお返しをする形は、日本で育ったものです。
変わりつつある日本のバレンタイン
その日本の形も変わってきました。2019 年に BBC は、友人同士で贈り合う女性が増え、職場の男性に配る「義理チョコ」の文化が薄れつつあると報じています。
贈る相手も贈るものも、いまは自由に選べます。大切な人にはひと言書いたカードを添える、家族には皆で分けられる詰め合わせを選ぶ、自分用には普段は買わない一粒を試す。板チョコ 3 枚の売り上げから始まった日本のバレンタインは、贈る人それぞれの形に広がり続けています。