世界猫の日の由来
世界猫の日(International Cat Day)は、動物保護の国際 NGO である国際動物福祉基金(IFAW)が 2002 年に定めた、世界共通の猫の記念日です。日付は 8月8日で、猫の魅力を祝うとともに、世界中の猫の福祉──虐待や遺棄の防止、飼い主のいない猫の保護──について考えることを目的としています。
2020 年からは、猫の健康と福祉を専門とするイギリスの国際団体 International Cat Care(iCatCare)が運営を引き継ぎました。同団体は獣医学的な知見に基づいて猫の適正飼育を啓発しており、世界猫の日は毎年テーマを掲げたキャンペーンの発信日になっています。SNS では「#InternationalCatDay」のハッシュタグとともに、世界中から猫の写真や保護活動の報告が投稿され、国境を越えた「猫の祭典」としてすっかり定着しました。
日本の「猫の日」との違い
日本には別に「猫の日」があります。こちらは猫の日実行委員会が 1987 年に定めたもので、日付は「ニャン・ニャン・ニャン」の語呂合わせによる 2月22日です。つまり日本の猫好きには、春の 2月22日と夏の 8月8日、年に 2 回の大きな「猫の記念日」があることになります。
両者は由来こそ違いますが、役割は補い合う関係です。2月22日が語呂合わせ発の親しみやすいお祭りだとすれば、8月8日は動物福祉という国際的なメッセージを軸にした日で、ペット関連企業や保護団体にとっては、寄付やボランティアの呼びかけ、適正飼育の啓発を発信しやすい機会になっています。
猫の福祉について考える日として
世界猫の日が掲げる「猫の福祉」は、遠い国の話ではありません。日本でも飼い主のいない猫をめぐる課題は続いており、行政や保護団体による譲渡会、飼い主のいない猫の繁殖を抑える TNR 活動(捕獲・不妊手術・元の場所に戻す取り組み)などが各地で行われています。環境省の統計では、猫の殺処分数はこの十数年で大きく減少したものの、ゼロにはなっていません。
また 8月8日は日本では真夏にあたるため、猫の熱中症対策や室内の温度管理を見直すタイミングとしてもちょうどよい日です。飼い猫には快適な環境と定期的な健康チェックを、これから猫を迎える人には保護猫の譲渡という選択肢を──世界猫の日は、かわいい写真に癒やされるだけでなく、猫と人がともに幸せに暮らす方法を一歩踏み込んで考えるきっかけの日といえます。