目の愛護デーの由来

目の愛護デーは、毎年 10月10日に行われる、目の健康を考える記念日です。始まりは 1931 年。中央盲人福祉協会がこの日を「視力保存デー」と定め、失明予防と目の衛生を呼びかけたのが原点です。戦後の 1947 年に「目の愛護デー」という現在の名前になり、以来この呼び名で定着しました。90 年以上の歴史を持つ、日本でも指折りの息の長い記念日です。

日付の由来はユニークで、「10 10」という数字を横に倒すと、ふたつの「1」が眉、「0」が目に見えることにちなみます。数字の形をそのまま顔に見立てた、一度聞いたら忘れない覚え方です。

失明予防から国民的な啓発の日へ

制定当時は、感染症などによる失明の予防が大きな社会課題でした。視力保存デーは、目の病気を早く見つけて治療につなげようという公衆衛生運動として始まったのです。戦後に目の愛護デーとなってからは、行政や眼科医療の関係団体がこの日に合わせて講演会や無料相談会を開くのが恒例となり、目の健康を国民全体で考える日として受け継がれてきました。

時代とともに、テーマも変わってきました。かつての感染症対策から、現在はスマートフォンやパソコンによる目の酷使、子どもの近視の増加、高齢化にともなう白内障・緑内障・加齢黄斑変性といった病気への対策へ。目をめぐる課題は形を変えながら、この記念日の存在意義はむしろ増しています。

画面時代の「目の休め方」

現代人の目は、朝起きてから寝るまで画面を見続けています。目の疲れを感じたら、意識的に休憩をはさむことが第一歩です。時々遠くに視線を移して目のピント調節を休ませる、まばたきの回数を意識して乾燥を防ぐ、蒸しタオルで目もとを温める。どれも今日から実践できます。

もうひとつ大切なのが、定期的なチェックです。緑内障のように自覚症状のないまま進む病気もあり、「見えているから大丈夫」とは限りません。目の愛護デーは、しばらく眼科に行っていない人が検査を予約する、子どもの視力や目の使い方を見直す、そんな行動のきっかけにちょうどいい日です。一生付き合う自分の目に、年に一度くらいは主役の座をあげてください。