木の日の由来

木の日は、日本木材青壮年団体連合会(木青連)が 1977 年に提唱した記念日です。日付の 10月8日は、「木」という漢字を分解すると「十」と「八」の組み合わせになることに由来します。数字の語呂合わせではなく、漢字の形そのものを日付に読み替えた、記念日のなかでも珍しいタイプです。

提唱の目的は、木材の良さをあらためて見直し、木に親しんでもらうこと。木材業界の若手でつくる団体が、暮らしのなかで木の存在感が薄れつつあることへの危機感から呼びかけた記念日といえます。

森の国・日本と、木の文化

日本は国土のおよそ 3 分の 2 を森林が占める、世界でも有数の「森の国」です。法隆寺の伽藍のような千年を超えて立ち続ける木造建築から、椀や箸といった日用品まで、日本の文化は木とともに育ってきました。

一方で、戦後に植えられたスギやヒノキの人工林が伐りごろを迎えているのに、安い輸入材に押されて国産材が十分に使われない時期が長く続きました。手入れされない森は荒れ、土砂災害や花粉の問題にもつながります。「木を伐って使い、植えて育てる」という循環を回すことが、森を健康に保つ道です。近年は公共建築や中高層ビルに木材を使う動きが広がり、木造の校舎や駅舎も各地で生まれています。木の日は、こうした「木を使うことが森を守る」という発想を思い出すきっかけの日でもあります。

今日、木に触れてみる

難しく考える必要はありません。木の日の過ごし方は、身のまわりの木をひとつ意識してみることから始まります。毎日使っている箸や机の木目を眺めてみる。散歩の途中で街路樹の名前を調べてみる。家具店で無垢材の椅子に座り、手ざわりを確かめてみる。

子どもと一緒なら、どんぐり拾いや木工体験もこの季節にぴったりです。木に触れて学ぶ「木育」という言葉も広まりつつあり、10月8日はその入り口としてちょうどいい日付です。プラスチックや金属に囲まれた毎日のなかで、年輪を刻んで育った素材のあたたかさを確かめる。木の日は、そんな小さな時間のための記念日です。